障害者フライングディスクの柔軟性について

現在、茨城県障害者フライングディス協会事務局次長として、さまざまな大会の企画運営指導等にご活躍中の渡邊良彦さんが、「フライングディスクを障害のある方とお楽しみいただく上での、指導者の皆様への提案」という形で投稿してくださいました。体験に基づかれた貴重な提案ですのでぜひご一読ください。

 昨年の11月23日(水・祝)に「筑波技術大学障がい者のためのスポーツイベント」に参加して指導する機会を得ました。その折に考えるところがありましたので投稿させていただくことにしました。

スポーツイベント当日は、降雨のために急遽屋内にフライングディスク競技の体験コーナーを設置したのですが、風のない環境は初めて体験する方にとってはディスクの飛行原理が体感しやすいという利点があります。例えば、リリースする瞬間のディスクの傾きと飛行中にディスクが曲がっていく方向の連動性は無風状態の方がより顕著に現れます。初めて体験する方が狙い通りに投げられない場合には、この角度の調節により驚くほどの上達を実感していただけることがしばしばあります。障害者フライングディスク公認指導者養成講習会もこのような理由からディスクスローイングの実技講習は屋内で実施することとしています。本来の競技は青空の下、緑の芝の上で行われ、風は勝負の行方を左右する重要な要素の一つです。しかし、“障害のある方が気軽にスポーツに親しむ”ことが目的の体験会などにおいては、参加者の習熟度や会場の制約、天候などに応じて柔軟に対応・工夫をしていくことは許されるべきでしょう。

この競技はレクリエーションスポーツで、遊び・戯れが原点にあります。“ディスクスローとキャッチング”という、かつてアメリカのイェール大学の学生がピザ屋の金属製パイ焼き皿を投げ合った遊び・戯れから着想を得た企業がプラスチック製のディスクを開発し、その楽しさが世界中の人々に受け入れられて爆発的に広がりました。そこには競技も規則もありませんでした。技術の向上や面白さを追求する中で、後になって競技が考案され規則が整備されていきました。この流れを踏まえれば、楽しみながら身体を動かすような工夫は必要不可欠で、むしろ新しいアイディアが求められるべきかもしれません。つまり「フライングディスクを楽しもう」といったら「フライングディスクを用いて楽しく身体を動かそう」と理解すべきで、楽しみ方は無限大です。その楽しみ方の一つとして技能を高め真剣勝負に挑む『競技』があると捉えるべきでしょう。全国障害者スポーツ大会競技規則集に掲載されている内容は、あくまでも全国障害者スポーツ大会及びその代表選手選考会のための規則であるということです。指導者の皆さまにおかれましては、肩の力を抜いてフライングディスクに親しんでいただけたら幸いです。

渡邊 良彦(障害者フライングディスク公認指導者)

(参考文献)「茨城県パラスポーツガイド」P.70〜P.73 松原豊、齊藤まゆみ、杉山文乃編著 発行元 筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻アダプテッド体育・スポーツ学寄附講座 編集協力 株式会社ジアース教育新社

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